私の友人にθ君がいる。
彼のいないとき、彼の黄ばんだ小さなノートを覗いてみたら
こんなことが走り書きしてあった。
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・爪切りて フト 見上げたる 鰯雲
・なんとまあ 坊主頭に 枯葉落ち
・秋雨や 鈍く光る 猫の エサ皿
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そこで、オレは其のノートに書きつけてやった。
・御詠歌の聞こゆる秋の深まりぬ
・秋風やリーマン予想を想うなり
実はθ君は数学が好きだからだ。
また彼はチャンバラ映画が好きだったので、
・無残やな血潮飛び散る彼岸花
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オレは其のノートを、そっと閉じて知らん顔していた。