2016年9月27日火曜日

私が中学生の頃だったか・・・

私が中学生の頃だったか、一人の友人がいた。
その友人は、教室の片隅で、いつも、ひっそりとしていて一人だった。

或るとき、彼は紙きれを私に黙って渡した。
それには、以下のように書かれていた。
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岸壁に猿は哭けり
秋霜として降りける雨は
いたらずに大海に消えぬ

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道行く人よ
何処へ行きなさるのか
その道はあまりに暗く
あまりに罔い
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私は、それを見て、こう彼に言った。

『なんだか支離滅裂じゃあないか。それに古臭いな』

すると其の友人は、苦笑いして黙って、教室の窓から見える秋の景色を見やった。
私は、悪いことを言ったかなと思い、私も秋の景色を見て、少し淋しかった。

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なぜか、私は、今でも、その友人の苦笑いを思いだすときがある。