私が或る医療機器製造会社に入社したら、医療機器の設計部門に配属させられた。
超音波診断装置といえば、今や、どこの病院にもあり、その検査を受けた人も多いだろう。
検査を受ける人がベッドに横になり、なにやら扇状の画像が映っているモニタがあって、医者がプローブと称するモノを、検査を受ける人の腹など当てて・・・というアレである。
『エコー』とも称したりするようだ。
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私が、この超音波診断装置の設計部門へ配属されたわけだが、途中で、先の日記に書いた電気メスを担当させられて、超音波診断装置の設計部門から離れ、一人、淋しく・・・でもなかったが・・・シコシコと数年間、電気メス試作に没頭したのだった。
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この電気メス試作が終わり、報告書をまとめた後、元の古巣にもどったのだが、当時は『電子スキャン』なるものの黎明期だつた。
以下の話は半世紀程前の昔話の余談であるから、現在、この超音波診断装置関連の機器を設計している諸君には一種の「たわごと」だと思ってもらってよい。
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実は、私の超音波診断装置の設計時代において、電気メスほど面白い話はない。
ただただ、平凡なエンジニアが、平凡な日々を馬齢を重ねるごとく、時を過ぎていっただけである。
このあたりの事情は、私の記事『いち電子回路設計屋の苦き思い出』に書いた。
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=6510294281337842087#editor/target=post;postID=2732638270487787500;onPublishedMenu=allposts;onClosedMenu=allposts;postNum=0;src=postname
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超音波診断装置の設計で、私が担当したのは、その装置の送受信部だったが、この回路部分において最も重要なことは、ノイズの軽減だった。
装置全体に影響するノイズは、この送受信部で、ほぼ決定されてしまう。
当時は此の回路部はアナログ回路だった。
このアナログ回路におけるノイズ軽減化の努力は、それはそれは語るも涙、そして恐らく、聞くも涙に相違なかった。
伊藤健一氏の著書『アース回路』などの関連書物を、会社の休日、顔をコワバラせて読んだものだった。
全く、電子回路設計屋と言えば外聞はいいだろうが、内実は、惨憺たるものです。
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もうひとつ、聞くも涙の苦労話を付け加えておくと、超音波の実際の人間の体での伝搬に近づけるために、装置ごと、たしか油状のモノ・・・名前は忘れました・・・に漬け、暗幕のなかで実験したことだ
体中、その油状のモノでベトベトになりながら悪戦苦闘したのだった。
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こういった具合で、超音波診断装置の設計時代は、思い出したくないのが本音(苦笑)。